通信制高校を考えている人にぜひとも知っておいて欲しいのがサポート校。SNSでも「サポート校がなかったら絶対卒業できなかった」「最初は高いと思ったけど絶対入って良かった」などの声が聞かれます。
そこで今回は通信制高校におけるサポート校についてまとめました。高校のような予備校のような塾のような専門学校のような・・・。そんな不思議な存在であるサポート校について詳しく知っておきましょう!
そもそもサポート校って何?
サポート校とは名前の通り、サポートする学校です。では何をサポートするのか?それはズバリ「通信制高校の卒業」です。サポート校は通信制高校の卒業を強力にバックアップしてくれる存在なんです!
サポート校って通信制高校と何が違うの?
サポート校は、高校ではありません。よって、サポート校にだけ通うということはほぼありません。通信制高校にプラスして通うのが基本です。
ですのでサポート校だけで高校を卒業することはできません。通信制高校に通って高校卒業の資格を得るのです。サポート校はあくまで通信制高校の卒業をサポートする学校です。
サポート校と通信制高校の見分け方は?
検索しても高校なのかサポート校なのかよく分からない・・・という人は名称を確認してみて下さい。サポート校は高校でないので高等学校とは名前が付けられません。「○○高等学院」「○○学院高等部」「○○高等学園」などと表記があればサポート校だと考えて大丈夫です。
でもスクーリングって、普通は高校に通うものじゃないの?
通信制高校とはいえ、高校は高校。スクーリング(登校)は学校において行われるのが普通じゃないの?と思われるかも知れません。でも、通信制高校においては、高校に通うことが全く”普通”じゃないんです。
文科省の発表している「定時制課程・通信制課程高等学校の現状」によると、通信制高校においてスクーリングを高等学校で行っていると回答した数は全体の46.4%とされています。実は半分もいないんです。
しかも、これは公立と私立を合わせた値です。公立の通信制高校の場合は高校に通うことがほとんどですから、私立の通信制高校で考えると「通信制高校でスクーリングをするのはさほど一般的でない」と言えます。
では実際通信制高校生はどこに通っているのでしょうか。先述の報告によると、高校以外の主なスクーリング先は「通信制高校の分校・分室」「協力校の高校」「技能連携校」「サポート校」などとされています。
ですので、サポート校に通うというのはかなり”普通”のことなのです。
サポート校って必要?
高校卒業なんてそんなに難しくないんじゃない?普通サポートなくても大丈夫じゃない?とお考えの人、ちょっと甘いかも知れません。授業のスケジュール組みから補習、進路指導、就業指導までしてくれる全日制高校と通信制高校では、卒業までの難易度が全然違うんです。
分かりやすくするためデータを参考にしましょう。しかし現代の通信制高校に関する研究などは始まったばかりで、体系的・長期的にまとめられたものは少ないため、モデルとなりえるデータを示すことにします。
※以下は土岐玲奈(2012)「学習にブランクのある生徒に対する学習支援の現状と課題 : 通信制高校における調査から」千葉大学教育学部研究紀要からの出典。
【公立の通信制高校Aの場合】
首都圏公立高校Aは生徒を大人扱いし、「自学主義」を取っている。全体として学校への満足度は高いが、満足度の低い生徒へのケアは個別にされていない。
レポートは内容の教科書内容の要約や自身の意見を書かせるなど、私立に比べ難易度は高め。教員対生徒、生徒対生徒の関係は希薄である。卒業率は40%。
【私立の通信制高校Bの場合】
私立広域B高校は生徒を高校生として扱う。スクーリングを欠席した場合やレポートの提出の締め切り日が近付いたときなど、担任からこまめな連絡がある。学校に対する満足度は低くても生徒は通い続けていて、そのほとんどが卒業している。
レポートの内容は、必修は教科書の穴埋めとなっていて、学力に関係なく誰でもできる難易度で作業的な内容。卒業率は90%。
通信制高校の場合、卒業は当たり前ではない
このように、公立での卒業率はA高校において40%しかありません。しかし私立のB高校は90%もあります。この差は何なのでしょうか。公立は難しい、私立は簡単、それだけではありません。私立には「サポート校」があるからだとも考えられているのです。
サポート校って具体的に何をしてくれるの?
サポート校の役割は大きく分けて4つ挙げられます。
▼学習サポート
通信制高校は基本的に自分で勉強します。形態は学校によって様々ですが、スクーリングの1回だけで授業が終わるところもありますし、Webでの動画視聴で授業に参加するタイプもあります。
いずれにせよ自分でやるのが基本ですので、これってどういう意味?何でこうなるの?と思った時、自分ひとりで解決しなくてはなりません。学習でのつまづきは検索し難く、ネット上での根本的な解決は難しいです。
しかしサポート校へ行けば、細やかな指導を受けることができます。先生が常時いるので質問しやすく、また通う頻度も多いので親しみやすく安心して質問できることでしょう。
公立などのスクーリング頻度(月に1、2度)しか会わない先生だと質問し辛いという人もいます。そんな人にはとても心強い学習支援者となってくれるのです。
▼通学支援
通信制高校に通い始めた人の中には、以前学校でトラブルに遭った人も少なくありません。全日制に通っていたものの人間関係で問題が起きた人にとって、高校に通うのは困難なこともあります。
そんな時にもサポート校は手助けをしてくれます。オンライン上でコミュニケーションをとってくれたり、通学頻度を少なめから始めたりなど個別の対応を検討してくれるところがほとんど。学校によっては先生が訪問するスタイルをとってくれるところもあります。
カウンセラーが常駐しているサポート校も多く、高校生活が精神的に辛い人などにとっても、サポート校は高校卒業までの良いサポーターになってくれます。
▼様々な職種の体験カリキュラム
通信制高校生の中には「手に職をつけたい」と思う人も少なくありません。高校中退の経験がある人、不登校の経験がある人など就職に不安を感じている人もいます。
そんな時に心強いのがサポート校での職業体験授業。学校によって職種は様々ですが、美容師・トリマー・ヘアメイク・マンガイラスト・ダンス・調理実習・保育士体験・農業体験・文化祭・体育祭・着付け講座など他にも挙げられないほどの種類があります。
手に職を、と考えた時にすでに決まっている人もいますが、何が自分に合っている人も多いと思います。そんな時に職業体験はとても有意義な時間になるでしょう。
したいこと、目標や夢が見付かれば卒業後も前向きに考えられますよね。サポート校以外にこんなに豊富な経験をさせてくれる環境はあまりないのではないでしょうか。
▼資格取得のためのカリキュラム
サポート校の中には、専門学校と提携して専門的なコースを開設してるところも多いです。例えば美容専門学校と提携して美容師コースなどを設けている高校もたくさんあります。
通信制高校を入学する時点で「将来はこれになりたい!」と決まっている人は、専門コースへの入学もおすすめです。普通科の授業だけでなく専門の授業もたっぷりとられているので、早くから夢に近い勉強ができます。
学校の勉強は好きじゃないけど、好きなことなら勉強できる!という人にとって、高校生活から専門の勉強がスタートできるのはとても有益だと思います。
サポート校の費用はどれくらい?
以上を読んで、サポート校っていいことしかないじゃん!と思われた人もいるかと思います。通信制高校での卒業をサポートしてくれる、専門の勉強で将来のイメージができる、夢に近付ける・・・などメリットはたくさんあります。
しかしその分やはりお金がかかります。サポート校は週3~5日の通学コースを設けているところがほとんど。そうなるとやはり学費は高くなってきます。
サポート校はおおよそ年間20~60万円くらいかかるところが多く、同じサポート校でも通学日が多いほど高額になります。また、専門性の強いコースの場合は70~100万円ほどになることも多いです。
サポート校の費用は高いのか
サポート校に通うのは高すぎる・・・と思うかも知れません。しかし通信制高校を卒業するのはそう簡単でもありません。上記の公立A高校は卒業率が40%でしたが、公立通信制高校の卒業率の実際の平均は30%もないと言われています。
公立の通信制高校の場合、授業料(単位毎に計算され、1単位およそ300円)は高くないのですが、長くなると精神的にも体力的にもキツくなってきます。
また、公立の通信制高校は中途退学者もとても多く、文科省は通信制高校における中途退学者数を調べていませんが、全日制高校の約2%、定時制高校の約14%を大きく超えるとされています。
そんな中サポート校のある通信制高校は卒業率90%超えがほとんどですから、その重要性・有益性は数字となって表われていると思います。
人気のサポート校まとめ
サポート校は全国にたくさんあります。自分がしたい通学ペース、取り組みたいカリキュラム、自宅から無理なく通える立地などから探すのが一番です。
しかしありすぎて探すのは大変!という人向けに、人気のサポート校をいくつかまとめましたので参考にしてみて下さい。
【中央高等学院】
中央高等学院には「吉祥寺本校」「池袋校」「渋谷原宿校」「横浜校」「千葉校」「さいたま校」「名古屋本校」にあります。関東に拠点を置く通信制高校ですが、愛知県にもあります。いずれも電車でのアクセスがしやすい立地になっています。
コースは「通信制高校サポートコース」「高卒認定試験コース」「大学入試コース」「ライフサポートコース」「介護福祉就職コース」「社会人コース」の6つがあります。
こちらの学校は、いろいろな体験がしたいというより目指す方向に向かって最適化された学習指導が欲しいという人におすすめのサポート校です。
一口に通信制高校と言っても、目指すところは人によってさまざま。大学入試を視野に入れている人の場合、「高校が卒業できればよい」レベルの授業だと物足りないこともあります。逆に「とにかく高校を卒業したい」という人には難易度高めの授業だと辛いことも。
そのため、目的別に細かくクラス分けされていると目標にちょうどよい授業が受けられるので、生徒の負担や満足感も満たされるのです。
通信制高校サポートコースは毎年900人もの卒業生を輩出していて、高卒認定試験コースも1年以内で99%の合格率を誇ります。実績のあるサポート体制で安心して通うことができます。
社会人コースも設置されていて、働きながら卒業したい人にもうってつけです。
【KTCおおぞら高等学院】
KTCおおぞら高等学院は以前はKTC中央高等学院という名称でした。そちらの方が聞き覚えがある人も多いかも知れませんね。KTCではが3つの学科、9つのコースに細分化されていて、自分にフィットした学びが期待できます。
■みらい学科■
みらい学科は「好きなことを仕事に結びつけたい」「将来役立つ資格や技術を身につけたい」人に向けての学科です。
「子ども・福祉コース」「プログラミングコース」「ビジネスマナーコース」「マンガイラストコース」「ネイルコース」の5つのコースがあります。
特に子ども・福祉コースは他にあまりない珍しいコースです。介護福祉士・保育士・准介護士の資格統一が検討されている状況を背景に設立されたこともあり、かなり現実の状況に即したコースと言えます。
実際に高齢者と触れ合う機会も設けられ、「将来福祉系の仕事したいけど本当にできるかな?」と不安な人には良き学びの場になることだと思います。
■アドバンス学科■
アドバンス学科には進学したい人向けの進学コースがあります。今は学力がないけど進学したいという人には中学校からさかのぼってのフォローもしてもらえます。
授業も、一方的に視聴するだけの映像授業のみでなく、やり取り可能なWeb授業もあります。オンライン上でのリアルタイム集団授業もあり、緊張感を持って臨むこともできます。進学希望者にはとても良い刺激になるでしょう。
また、全国どのキャンパスでも同じ授業が受けられるため、都会のキャンパスの方がクオリティが高いといった不満も生まれません。
■スタンダード学科■
「ウィークデイコース」「個別指導コース」「ツーデイコース」の3つのコースがあり、希望の頻度で通うことができます。
特に個別指導コースはとても魅力的で、その名の通り個別指導からスタートできます。人と関わることに不安のある人、集団での授業に抵抗がある人はまず個別指導コースから始めると良いでしょう。
慣れてきて集団コースにしたくなれば、1~3年次のどの時期からでも変更が可能なのも嬉しいところです。
【トライ式高等学院】
トライ式高等学院は、CMでもおなじみ「個別指導のトライ」の株式会社トライグループが運営する通信制高校サポート校です。
トライ式高等学院の売りは何と言ってもその学習指導力。過去の進学実績を見ると東京大学・京都大学・北海道大学・大阪大学・九州大学など、国立大の中でも難関中の難関である旧帝大学への進学者もいるんです!
大学進学できると謳っていても、ここまで偏差値の高い大学に対応できるサポート校は少ないと思います。また全国に30都道府県・53ものキャンパスがあるのもさすがですよね。ほとんどの地域から通うことができます。
コースは「普通科」と「特進科」の2つのみ。普通科ではまず高校卒業を目指します。途中から特進科に進むことも可能なので、学力はないけど大学進学を目指したい人も安心して通えます。
キャンパス型・自宅型も選択自由。学力も学び方もいろいろ選べて、難関大学への進学も目指せる。とにかく勉強に特化したサポート校に通いたいという人には本当にお勧めのサポート校です。
サポート校まとめ
いかができたでしょうか。この他にもお勧めのサポート校はたくさんあります。公立の通信制高校と比べるとどうしても私立の通信制高校の学費+サポート校の学費はとても高いと感じてしまいがちですよね。
でもサポート校には高校卒業の手助けに加え、専門スキルのアップや学力向上といった、専門学校や予備校のようなサポートがあります。「高校卒業+卒業後のサポートまでダブルで得られる」と考えると、決して高いと言い切れないところがあります。
通信制高校の特権とも言えるサポート校。高いと一蹴せずに、長期的な目で検討してはいかがでしょうか。
通信制高校を選ぶ際には慎重に
・通信制高校に行くか?行かないか?
・通信制高校に行くならどの学校が良いか?
などを決める際にまずはインターネットで各学校の情報収集をされると思います。
ただ、ネット上の情報は限られています。そして、「学校のことを知りたいなら学校に聞く」のが一番詳しく情報を知ることができます。
とは言っても学校の担当者の方と直接コミュニケーションを取るのは中々ハードルが高いと思います。
そこでまずおすすめしたいのが「学校が公式に発行している資料を請求すること」です。
資料を読み込むことになるのでその場で質問などはできませんが、「学校が公式に発行している資料」なので「学校との直接コミュニケーション」と同じ濃さの情報を得ることができます。
その際にズバットを経由して資料請求をすると、簡単かつ無料で学校の資料請求ができます。
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