通信制高校の情報サイト

本気の通信制高校選び

通信制高校の入学検討

通信制高校は卒業が難しいって本当?リアルな難易度をデータを用いて紹介します

更新日:

「通信制高校って入るのは簡単だけど卒業が難しい」なんて聞いたことありませんか?実はこれ、ある意味真実なんです。

通信制高校における卒業。一体どんな感じなのかピンと来ない人もいるかも知れません。ですので今回は「通信制高校における卒業のしやすさは?」という疑問にお答えします。

これを読んで通信制高校での高校卒業資格の取得の一助としてください。

▼高校卒業ってどうやったら認定されるの?

そもそも高校卒業とはどうしたら認められるのでしょうか?高校卒業に関しては教育法にその条件が示されています。

【学校教育法第46条】

「高等学校の修業年限は、全日制の課程については、3年とし、定時制の課程及び通信制の課程については、3年以上とする。」

1年で高校卒業に必要な単位数を取得したとしても、最低でも3年は在学しないといけません。

【学校教育法施行規則第63条の2】

「校長は、生徒の高等学校の全課程の修了を認めるに当たっては、高等学校学習指導要領の定めるところにより、74単位以上を修得した者について、これを行わなければならない。 」

高校を卒業するためには最低でも74単位を取得しないといけません。

2つの条件を満たせば高校卒業!

高校卒業に関する法令は他にもありますが、条件として挙げられている重要なものは上記の2つです。つまり「高校に3年以上(3年でもOK)在籍して、その間に74単位とればいい」ということになります。

なんだかそれなら簡単にできそうな気がしますよね。しかし通信制高校において、卒業者は全日制ほど多くありません。それはなぜなのでしょうか。

▼データで見る、公立と私立の通信制高校の違い

公立と私立でここまではっきり値が分かれるのは通信制高校くらいではないでしょうか。以下に公立と私立でのいろんな差を載せましたので確認してみて下さい。

■通信制高校在籍者に占める未履修者の割合■ 公立・・・約32% 私立・・・約5%

■添削指導を重視している■ 公立・・・約94% 私立・・・52%

■難関大学希望者への学力向上に課題がある■ 公立・・・約2% 私立・・・約12%

■基礎学力の定着に課題がある■ 公立・・・約41% 私立・・・29%

■発達障害・学習障害をもつ生徒への対応に課題がある■ 公立・・・34% 私立・・・17%

■取り組みの遅れがある生徒への個別指導に課題がある■ 公立・・・27% 私立・・・20%

ここから見えてくるのは、

公立の通信制高校には授業に来なくなった、単位の取れなかった生徒が私立の6倍以上いる。しかしそのような生徒への個別指導はあまりできていない。

公立は私立に比べ、基礎学力の低い入学者が多いがその対応はあまり進んでいない。

公立は卒業まで個々のフォローするより、レポートに丁寧に対応することを重視している。

公立はそもそも難関大学に進学希望する生徒が少ない。

公立は私立に比べ、発達障害や学習障害をもつ生徒が多いか、もしくはそのような生徒数は同じでも私立に比べて適切な対応ができていない。

ということです。つまり、

公立は私立より基礎学力が低い人が多いにも関わらず、そのような生徒ひとりひとりに対応するのは難しい現状がある。

公立は私立よりレポートが難しい分、添削をしっかりしてくれる。私立の場合レポートが教科書の穴埋め程度で簡単な学校もあり、添削は公立ほど重視されていない。

公立は途中で来なくなったり追いつけない生徒がいても対応できておらず、そのような生徒は未履修となる。

といった公立の厳しい状況が読み取れます。

▼なぜ公立の通信制高校は厳しいのか

それではなぜ公立の通信制高校はこんなにも厳しい状況下での学習となってしまうのでしょうか。

そもそもの話になってしまいますが、公立の通信制高校はもともと勤労青年と呼ばれた、働きながら学習したい若者向けの学校でした。

高校卒業が当たり前でなかった時代、彼らは生活のために働いているものの高校を卒業したい!という熱意のもと、通信制高校に通っていました。昭和57年の調査では6割以上が定職についています。(アルバイトは含まない)

現代ではそのような状況とは変わってきていますが、「働きながらでも勉強したい人に門戸を開く」といったスタンスが公立の通信制高校の基本です。社会人が通う学校というルーツがあるため、高校生扱いがあまり定着していないのです。

▼高校中退者に対応したのが私立の通信制高校

高校中退者が増えてきた

一方の私立の通信制高校はどのような歴史を辿ってきたのでしょうか。もともと私立の通信制高校の数は公立ほどありませんでした。

平成4年の時点では公立の通信制高校が69校、私立の通信制高校が21校となっています。私立のうち狭域は15校。公立も私立も居住地区から通える高校にスクーリングに行くのが基本でした。

しかし1990年台になり、高校中退者が増えます。特に1994年頃から増え、後半になると中退者が全体の2,5%を占めるようになりました。

それ以前の日本では中卒も珍しくありませんでしたが、だんだん高校卒業率や大学進学率が上がり「高校は卒業しないと」といった空気が強くなり始めます。

そうすると高校中退者はどうするか。そうです、通信制高校に通って高校卒業の資格取得を目指すようになりました。

高校中退した後に公立の「自分で管理してね」は厳しい

高校中退した後、通信制高校を通うと決めたらまず考えるのが「公立か私立か」だと思います。文科省の公表しているデータで高校中退者は卒業者に比べて経済的に逼迫している率が高いというものもありますので、学費を抑えるため公立の通信制高校に進学した人も多かったでしょう。

しかし公立の通信制高校は社会人に向けた学校ですから、「自主自学」が基本の学校が多いです。

高校中退したばかりの人はほとんど高校生のようなもので、今まで全日制で組まれたカリキュラムそのまま受けていればいい状態の人が多かったはずです。

そんな中で「自分で必要な単位を考えて授業に出席したりレポートを提出したりする」というのはなかなか難しいことです。大人なら仕事のようなものと捉えてこなせるかも知れませんが、”普通”に高校生をしていた人にはちょっと慣れないこともあることでしょう。

そうなると当然単位が取得できなかったり、授業に出席しなくなってしまったりする人が増えます。

私立が高校中退者を丁寧に卒業に導いてくれるようになった

そして「高校を中退したが、高卒の資格は取得したい」「しかし公立の自主自学は難しい」という人に対応し始めたのが私立の通信制高校です。その需要は大きかったため、私立の通信制高校はぐんぐん増えていきました。

平成4年に21校だった私立の通信制高校は、平成25年には144校にまで増えました。率にして約7倍の増加になります。特に広域の通信制高校が増えています。6校しかなかった私立の広域校は、85校にまで増加。これは14倍の増加です。

こうして増加した私立の通信制高校は、私立ですから生徒を増やして運営していかなければなりません。そうなると「いかに高校卒業を取得させるか」が重要になります。

なぜなら通信制高校に通う目的はほぼ全ての生徒が「高校卒業の資格を取得すること」だからです。

今日の通信制高校は特別なカリキュラムがあったり高校に通いながら国家資格の勉強ができたりと他との差別化を図るユニークな高校も多いです。

しかし大前提なのは「高校卒業の資格を得ること」。これに違いはありません。ですので私立の通信制高校にとって「卒業率を高く維持する」ということは大事なことなのです。

そうなると必然的に単位取得のための条件はゆるめになっていき、レポートは簡単になり、不登校になりかける生徒にはフォローを入れ、スクーリングでイジメの気配などがあれば厳しく対処したりして通いやすく卒業しやすい環境づくりが進んでいきました。

▼中退者や卒業率をデータでみると公立も私立もあまり変わらないけど?

文科省の実施したデータを見ると、公立も私立も中退率や卒業率に大きな差はないと感じられるかも知れません。しかし文科省が通信制高校を対象に調査し始めたのは近年。内容も全日制や定時制に比べて少ない状況です。

表面だけ見ると大差ないようですが、「3年で卒業した生徒の割合」「1人あたりの未履修の単位数」など調査するとかなりの差が出ると考えられます。

私立の一部の学校では単位取得のプログラムが簡単過ぎるとして問題視されたこともありました。文科省は増え続ける広域通信制高校の質の向上・確保には本腰を入れ始めています。審議を行い、ガイドラインも策定されました。

それは言い換えると、ある意味「私立は公立に比べて単位取得や卒業がとても楽である」とも言えます。楽にしすぎて問題視されているところがあるのです。

▼公立だと卒業は難しめ、私立だと卒業は簡単ぎみ

このような潮流の中ですので、今回の「通信制高校を卒業するって難しいの?」の結論としては

公立だと難しい(人もいる)、私立だと比較的簡単に卒業できる

ということになります。しかしある程度の学力があり自律できる人は公立でも楽に卒業できると思いますし、金銭的に余裕がある人は、私立だと楽に卒業できその分の労力や時間を他の勉強や取り組みにまわせると思います。

ですので「自分はひとりでコツコツできるタイプか」「お金を多少かけてでも3年できっちり卒業したいかどうか」「周りが10代ばかりな方が良いか否か(私立は10代が多め、公立は私立より年齢層高め)」などで公立か私立かを考えると良いですね。

通信制高校を選ぶ際には慎重に

・通信制高校に行くか?行かないか?

・通信制高校に行くならどの学校が良いか?

などを決める際にまずはインターネットで各学校の情報収集をされると思います。

ただ、ネット上の情報は限られています。そして、「学校のことを知りたいなら学校に聞く」のが一番詳しく情報を知ることができます。

とは言っても学校の担当者の方と直接コミュニケーションを取るのは中々ハードルが高いと思います。

そこでまずおすすめしたいのが「学校が公式に発行している資料を請求すること」です。

資料を読み込むことになるのでその場で質問などはできませんが、「学校が公式に発行している資料」なので「学校との直接コミュニケーション」と同じ濃さの情報を得ることができます。

その際にズバットを経由して資料請求をすると、簡単かつ無料で学校の資料請求ができます。

楽に無料で通信制高校の公式資料集めなら「ズバット」

ズバットでは、色々な軸で通信制高校の情報を集めることができ、興味を持った学校について深く知るための資料請求が無料でできます。

お金もかからず、1分で資料請求までできてしまうので、通信制高校への進学を検討されている方は効率的な検討のためにぜひ活用してみてくださいね。

-通信制高校の入学検討

Copyright© 本気の通信制高校選び , 2023 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.