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通信制高校に行くのに年齢制限ってあるの?データで見る”通信制高校生の年齢”

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通信制高校に年齢制限があるのかどうか知っていますか?答えは「ない」です。年齢制限はありません。少なくとも公立の通信制高校は確実に年齢制限がありません

通信制高校はどんな人でも入学資格があります。もし中学校を修了していない人でも、「中学校卒業程度認定試験」を受験し合格すれば入学条件を満たします。

それでは実際、高齢になって通信制高校に通う人はいるのでしょうか?答えは「いる」です。文科省の実施している「学校基本調査」によれば、2010年において、公立の通信制高校に通う60歳以上の生徒は776人、私立にも387人います。

でも実際通おうかと考えると、「あまりに若い子だけだと浮くんじゃないか」「社会人もいるのかどうか」なんて気になりますよね。そこで今回は公立・私立を生徒年齢の特徴で比較し、年齢や状況別に通信制高校の選び方などをお伝えします。

通信制高校は、公立と私立でだいぶ違う

まず真っ先にお伝えしたいのがこちらです。通信制高校は公立と私立でかなり違いがあるんです。その理由は歴史に因るところが大きいので、通信制高校の歴史を振り返りながら確認してみましょう。

▼公立の通信制高校は勤労青年のためにできた

通信制高校はもともと、戦後の貧しい中で「全日制高校にも定時制高校にも通学が困難な勤労青年」のために開設されました。当時は現在ほど高校進学率も高くなく、中学校を卒業してすぐ働きに出る若年者が大勢いました。

働いていると全日制はおろか、夜間などの定時制高校にも通うのが難しいことがあります。そこで週1回程度の通学で済む通信制高校が設立されることになりました。

▼しかし勤労青年はどんどん減ってきた

しかしご存知のように、日本は高度成長を遂げ、教育水準も高くなっていきます。経済的事情から中学校を終えすぐに働く人は減り、高校進学が当たり前のようになってきました。

1980年中盤に差し掛かるとますます顕著になり、愛知県高等学校教職員組合定通部(1985)によれば、従来の勤労青年でない生徒層が徐々に増え始めていると報告されています。

「勤労青年への教育機会の提供」という従来の役割を維持しつつも、「全日制からの転編入生に対する教育機会の提供」という役割が大きくなっていったのです。

実際、1990年代の雑誌記事や書籍では「勤労青年」より「不登校・高校中退者」という表記が上にくるようになってきました。

▼そして公立の通信制高校生が減ってきた

こうして本体の役割を失いつつある公立の通信制高校は、学校数自体はあまり変わらないものの、生徒数は平成8年から平成28年までの20年間で35%以上減少しています。

以上が「勤労青年のために設立された公立通信制高校の歴史」です。

▼1990年代後半から通信制高校が大きく変わった

それと話は別に、原因は明らかにされてませんが、1990年代半ばから、5月以降に通信制高校に転編入する生徒が激増しました。それまでは公立私立ともに5%もいなかった通信制高校への5月以降の転編入生の割合が、25%を超えるようになったのです。

高校中退者の割合は平成57年の調査開始からずっと2%前後と大して変わってきていません。子どもの数は減少傾向にあるので、高校中退者の数が増えたわけではないのです。

ということはつまり、「全日制高校を辞めて通信制高校に移る」というルートをとる人が増えたということになります。

▼不登校・中退者が私立の通信制高校に行くようになった

さて、「全日制高校を辞めて通信制高校に移る」人は公立と私立のどちらを選ぶようになったのでしょうか。結論から言うと、「私立」です。理由はいろいろあると考えられています。

【1.広域通信制高校だから】

最も多いのがこれかも知れません。私立には多くの広域通信制高校があります。広域通信制高校とは「三つ以上の都道府県から生徒を募集する通信制高校」とされています。

広域に対して狭域の通信制高校もありますが、こちらは「学校のある県と隣接する1都道府県のみ」からの募集になります。地元の高校しか選択できません。

公立はほぼ全てで狭域となっています。平成28年現在、公立の通信制高校で広域なのは1校のみです。それに対し私立の場合、半分以上が広域となっています。

【2.私立の方が転入学に柔軟だから】

一般に、公立より私立高校の方が学期途中の転編入に柔軟な傾向があります。それは通信制高校でも同じです。ですので隙間なく学校生活を続けたい人は私立の方が入りやすいのかも知れません。

高校を辞めても他の高校があるという認識はもはや一般的なものになっています。そこで高校を辞めてもすぐ次の高校に移るという感覚が昔より強くなっていると考えられます。

そこで自分のタイミングで入りやすい私立の方を選ぶ人が多いのだと思います。

【3.私立の方がカリキュラムが様々だから】

私立の場合、カリキュラムの自由度が公立よりも高いです。そして運営もありますから、公立の通信制高校よりずっと競争に敏感です。時代の潮流をしっかり見極め経営しているので、他との差別化を図ろうと様々な特色のある学校が多いです。

例えば、実際に私立の通信制高校にあるコースが以下になります。アニメ・声優・音楽・漫画・イラスト・スポーツ・美容・ヘアメイク・ネイル・プログラミング・ゲーム製作・調理師・パティシエ・デザイン・ファッション・福祉・医療・農業など。挙げれば限りがありません。芸能界を目指すコースもあります。

全日制の、いわゆる普通の高校を辞めることになった時、将来の夢にダイレクトに近付ける専門コースはとても魅力的だと思います。辞めた後の学習がイメージできるので入学を希望しやすいのでしょう。

こうして全日制高校を辞めることになった人がごっそり私立の通信制高校に入学するようになりました。

▼公立と私立の生徒数が逆転した

役割のなくなりつつある公立と、新たな役割を担い始めた私立の通信制高校。実際に生徒数はどうなっているのかデータで確認してみましょう。

文科省の「学校基本調査」によると、2003年度の公立の通信制高校の在籍者数は10万5千人程です。それに対し私立の通信制高校の在籍者数は8万5千人と、公立の方が多くいました。

しかし年々公立の生徒数は減り、私立の生徒数は増え続けています。結果、2010年度になると公立の在籍者数が8万6千人、私立の在籍者数が10万人超えとまるっきり逆転しているのです。

▼私立の通信制高校の設置数が激増している

需要の拡大した私立の通信制高校はどうなったのでしょうか。当然ながら数が増加しました、1990年には17校しかなかった私立の通信制高校は、2015年には160校にまで増加しています。10倍近く増えているのです。

 

公立と私立の年齢層の違い

さて、以上が近年の通信制高校の公立と私立の通信制高校を巡る流れになります。ここで話を年齢に戻しましょう。公立と私立で比較してみます。データは2010年時点のものを採用しています。

公立の通信制高校在校生は

10代・・55.3%

20代・・・36.3%

30代・・・5.4%

40・・・1.6%

0代・・・0.6%

60歳以上・・・0.9%

私立の通信制高校在校生は

10代・・・90.0%

20代・・・6.8%

30代・・・1.2%

0代・・・0.9%

50代・・・0.7%

60歳以上・・・0.4%

となっています。公立の場合、10代の生徒は半数程度ですが、私立の場合は10代がほとんどを占めていることが分かります。

また、このデータは全都道府県をまとめたものです。東京の場合、私立高校が多く公立の割合が減ると思いますので、東京以外、特に地方に行くほど公立通信制高校の年齢層は上がる傾向にあると考えられます。

公立と私立、どっちがおすすめ?

以上を踏まえて、状況別にどちらがおすすめかをまとめてみました。

【ケース1】最近高校を辞めたばかり。もう一度学生生活がしたい。

全日制高校に進学したもののうまく行かず、辞めてしまった(もしくは辞めたいと思っている)人。でももう一度”普通”の学生生活がしたい!という人には私立がおすすめです。特にスクーリングが多めの学校が良いでしょう。

通信制高校でもスクーリングの多い学校は全日制のように”普通”な高校生活が送りやすいです。年齢も同じくらいの生徒が圧倒的ですから、全日制と同じように友達も作って楽しく過ごせると思います。

【ケース2】最近高校を辞めたばかり。あまり人と関わらず過ごしたい。

全日制高校を辞めた(辞めたい)人で、もう人との関わりに疲れた人もいることだと思います。でも高校卒業はしておきたい。そういった人は私立・公立どちらでもいいと思います。

公立は年齢層が広いため、受身でも自然に友達ができる空気ではありません。もちろん積極性を持てば公立でも友人はたくさんできると思います。でも一人一人で行動するのが普通な雰囲気ですので、人とか関わりたくない人にはお勧めです。

私立ですと、スクーリングの少ない高校がお勧めです。私立は公立よりスクーリングの少ない高校も多いです。ですので年に1度だけ、といったスクーリングのタイプをとっている高校を選ぶとあまり人と関わらずマイペースに過ごせるでしょう。

【ケース3】30~50歳代。働きながら高校を卒業したい。

社会人で、なおかつ30歳代以上でしたら公立の通信制高校がおすすめです。先程のデータからも分かるように、公立の通信制高校の場合、半数くらいは20歳代以上です。当然社会人も多いです。

公立の歴史から考えても、社会人の受け入れに関してはやはり公立が強いです。教員も社会人への対応に慣れていますから、あまりストレスなく仕事との両立が図りやすいと思います。

年齢層が高めな分、公立の通信制高校の方が落ち着いた空気なことが多いです。何箇所か訪問したことがありますが、全体的に「都道府県立の図書館」のような雰囲気だと感じました。

【ケース4】周りはどうでもいい。とにかく大学に進学したい。

友達を作りたいとかは特になく、人と関わるのが嫌という程でもない、あまり周りに関心がない人。それでいて大学進学を目指す人は公立でも私立でもいいと思います。

公立のメリットとしては、一定の教育の質が保たれているというところにあります。近年私立の通信制高校の乱立により、通信制高校の教育の質について問題視されている部分があります。

平成28年には「高等学校通信制教育の質の確保・向上のためのガイドライン」も策定されました。はっきり述べられているわけではありませんが、ガイドラインは私立・広域高校の話が多いです。公立の教諭は都道府県の教育委員会の採用試験に合格しているので一定の質は保たれていると判断できると思います。

しかし、進学率が高いのは公立より私立です。また、通学スタイルも私立の方が高頻度通学が多い傾向にあります。公立は週1~数回がほとんどで、週5日コースはほぼ存在しませんが、私立だと割とあります。

高校でしっかり勉強しようと思うと、やはり先生にみてもらう方がやりやすいですからきめ細かい指導という点で言えば「私立の進学に強い高校」が一番かも知れません。

通信制高校に年齢制限はない

いずれにせよ、通信制高校に年齢制限はありません。高校卒業したいと思った時がタイミングです!公立と私立の特徴を理解して、自分に合った通信制高校を探しましょう。

通信制高校を選ぶ際には慎重に

・通信制高校に行くか?行かないか?

・通信制高校に行くならどの学校が良いか?

などを決める際にまずはインターネットで各学校の情報収集をされると思います。

ただ、ネット上の情報は限られています。そして、「学校のことを知りたいなら学校に聞く」のが一番詳しく情報を知ることができます。

とは言っても学校の担当者の方と直接コミュニケーションを取るのは中々ハードルが高いと思います。

そこでまずおすすめしたいのが「学校が公式に発行している資料を請求すること」です。

資料を読み込むことになるのでその場で質問などはできませんが、「学校が公式に発行している資料」なので「学校との直接コミュニケーション」と同じ濃さの情報を得ることができます。

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